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貝の中に砂や虫などの異物が入り、それらが吐き出されずに長い間体内に留まる事があります。

ただし、異物が体内にあり続けるだけでは真珠になりません。

入り込んできた異物に対して「外套膜」という部位が反応するかどうかが天然真珠形成に大きくかかわってきます。

ちなみに、この外套膜とは普段“貝ひも”と呼んでいる部位で、その大きな働きのひとつが貝殻の形成です。
この外套膜には表と裏があり、表側(貝殻に面している方)を外面上皮といい、その反対側は内面上皮と言います。

貝殻と外套膜の間は粘液(外套膜外液)で満たされており、この粘液の中で貝殻は作られます。

天然真珠ができるパターンはさまざまありますが、一般的には、異物が貝殻と外套膜の間に入り込んでできます。

そこに異物が入ると外套膜の表面が破れ、その膜のかけらと異物がくっついた状態で膜の中に入り込むことがあります。

そこで破れた膜のかけらが増殖して、異物を包み込む袋(真珠袋)ができます。

すると袋の内側で貝殻の内側と同じ成分「真珠質」が分泌されはじめ、長い時間をかけてその異物を真珠質が何層にも包み込むことで天然の真珠が誕生するのです。